コラム



第8回 マイク位置はどこ?

 ロゴシーズのマイクは、骨伝導マイクです。このマイクの位置を決めるにあたっては、ものすごく労力がかかりました。首の上で、かつ、マスクやレギュの邪魔にならないところという基本的な考えはありました。後頭部も場所的には良かったのですが、髪の毛が邪魔です。まさか、ロゴシーズのためにスキンヘッドになってくださいとは頼めません。私たちに残されたスペースは、それほど多くはありませんでした。そのスペースの中で、どこにマイクがあればもっとも良い音声が録れるのでしょう。実験してみたのが、写真のようなやり方でした。2cm幅の桝目状にマジックで印をつけます。全部で20箇所あります。この1つ1つに骨伝導マイクをつけて、決められた文章を3回読み、音声を採取します。もちろん水中です。  

 音声は、3つの指標で善し悪しを判断します。第一は、音の大きさです。大きい方がより良いのは言うまでもありません。第二は、言葉の明瞭度です。音が大きくても言葉に聞こえないところがあります。例えば、のどに付ける咽喉マイクなどはその傾向が強いです。ブルブルと震える声帯の近くになるので、音は大きいのですが、何を言っているのかわかりません。第三は、付けていて痛くないことです。音が大きくて、かつ、何を言っているのかが明瞭であり、付けていて痛くないこと、これがマイクの位置の条件でした。  

 メンバーは顔にマジックで点々を書かれたまま、しばらく過ごすことになります。消されてしまっては再現性のあるデータが録れませんから、大事なマークです。会社の中を歩き回るのは恥ずかしいものでしたが開発のためには仕方がありません。そうやって幾度もの試験を経て、決めたのが現在のマイク位置です。2cmズレても、痛かったり、小さかったり、日本語に聞こえなかったりします。とてもピンポイントになっています。  

 ロゴシーズを使っていて、「付けていて痛くなった」 「相手の声が小さくて聞こえない」 「声は聞こえるんだけど何を言ってるのか分からない」といったことはありませんか?そのようなときは、是非マイク位置が正しいか確認してみてください。それだけで、とてもクリアになりますよ。

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